みんなのブログポータル JUGEM 彼女と二つのナイト | 蒼の庭園
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彼女と二つのナイト






「ん……、此処は……?」

 薄暗い洞窟の奥で女性は目を覚ました。

「お目覚めですか、お姫様」

「……ッ!」

 すぐそばから聞こえた男の声に、女性は驚き後退りをした。





「おや、怖がらなくても良いのですよ。なぁに、私の実験に少々協力してくれればそれで良いのです」

 男は笑みを浮かべたまま、後退りをして離れていく女性へ近付いていく。

「……あ、あ……!」

 恐怖は女性から声を奪い、立ち上がる力をも奪う。そして、男は女性の目前で足を止め、静かに魔法の詠唱を始めた。すると、女性を中心にして魔法陣が現れた。





「な、何これ……あぁ!」

 振り絞るようにして出されたその言葉に男は口元を吊り上げさらに笑った。

「あなたの感情を頂きますよ。そして私の野望の礎となるのです……!」

 男は女性へそう答えると、高笑いをしながら魔法陣を完成させた。





「……ふふ。それではお休みなさい、お姫様。……永遠に」

 魔法陣は強い光を放ち、女性の体から光り輝く球体を抜き出した。球体を手にした男は満足気な表情を浮かべ、女性の前から去っていった。


 


・・・・・





 

「これで魔法兵の完成が近付きますね……ふふ」

 洞窟の外に広がる砂地を歩きながら、男は笑いを零す。そんな男の前に黒い影が現れ、道を塞いだ。

「……ぐる、る……ッ!」





「……また君ですか、出来損ないの騎士くん」

 球体を手にした男は唸り声をあげるロックを見下し、溜息を吐く。その様子にロックはふらつきながらも敵意を剥き出しにする。

「今度は手加減しませんよ?」

 男はロックへ冷たく言い放つ。だが、ロックはより一層強い敵意を男にぶつけ、一歩も退こうとしない。





「ふぅ、良いでしょう。その闘争心は買いますよ……さぁ、かかってきなさい」

 その言葉が口火となり、ロックは決して素早いとは言えない動きで男の喉を食い千切ろうと駆け出した。



続く

author:ラクトキャスター, category:彼女と二つのナイト(頂き物), 00:00
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