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彼女と二つのナイト





「……わう!」

 洞窟の奥でロックは『あの女性』と再会した。

「ロック、待てって……」

 次いでそこに到着したラクト達もそこに倒れている女性を発見し、すぐに駆け寄った。






 

「……くそ、ダメだ。すごく弱ってる」

「くぅーん……」

 手当てをするラクトのそばでロックは不安げな声をあげる。その様子を見ていたフレアは光り輝く球体と女性を何度か見比べた後、何かを理解したように頷いた。

「ボク、その人……治せる、かも?」

 その言葉にロックは驚き立ち上がり、ラクトも思わずフレアの顔を凝視する。





「……多分、この球体が鍵……だよ」

「鍵、って何だよ?」

「ラクト、ちょっと……この球体持ってて。ダルは……えっと、踊ってて」

「了解ナノダ!」

 フレアの足元に歩み寄ってきたロックは、自分も何かしたいと言うようにじっとフレアの顔を見つめていた。

「ロックは、その人のそばに居てあげて……目を覚ましたら、おはようって言ってあげて」

「……わう!」

 



 

 その後、フレアは瞳を閉じ意識を集中し始めた。ラクトもロックもそんなフレアの邪魔をしないようにと物音一つ立てずにじっとしていた。

「ラララー」

 そんな中、ダルは踊っていた。

「それじゃ……始める、よ」

 ラクトが手にする球体に手を添え、フレアは静かに魔力を流し込み始めた。すると、光り輝く球体は徐々に溶け始めた。球体は辺りに光の粒を撒き散らしながら溶けていく。





「綺麗だな……」

 ラクトの呟きにロックも小さな声で鳴き答えた。

 そして、光の粒は少しずつ女性へと吸収されていった。やがて、球体は完全に溶け、それにより発生した光の粒は全て女性の中へと戻り、辺りは再び薄暗い洞窟へと戻った。

 



 

「……ん、疲れ、た」

 額に汗の粒を浮かべ、フレアは深く息を吐いた。

「お疲れ様。でも、一体何をしたんだ?」

「ん、あの球体ね……あの人に近付けるとすごく強い反応があったんだ、よ」






「へぇ……って、まさかそれだけの理由で!?」

「……えっへん」

 驚き固まったラクトとは対照的にダルは未だに踊り続けていた。

「ダンダン楽シクナッテキタノダー!」

 そんなダルの声が最後の決め手になったのか、女性はゆっくりと目を覚ました。

 



 

「う、うう……ん」

「……わう!」

 目を覚ました女性を見てロックは嬉しそうな声をあげた。

「……フルート、今日も起こしに来てくれたんだね……ありがとう」

「……わう?」

 女性の顔は穏やかで幸せそうだった。そして、ロックの頭をそっと一度だけ撫でると、女性は再び目を閉じた。





「わ、わう!?」

「……ッ! ……ふぅ、大丈夫。ただ眠ってるだけみたいだ」

 ラクトの言葉に落ち着いたロックは女性の頬を一度だけ舐めた。

「さて、ロック。この人は一体誰なのか……帰り道で聞かせてもらうぞ?」

「わ、わう。わうー……」

 



 

「ア。ソウ言エバ……アノ男ハドウスルノダ?」

「……あ!」

 



 

 慌てて洞窟を出たラクト達の前にはすでにあの男の姿はなく、ただ穏やかな風が吹いているだけだった。



続く

author:ラクトキャスター, category:彼女と二つのナイト(頂き物), 00:00
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